Last updated on 9月 27th, 2022
ケーススタディ
エンジンの故障モード
目的
- 5つの異なるエンジンタイプの故障を予測し車両診断プロセスを改善
- テストデータを用いてエンジン障害の原因を早期特定
チャレンジ
- それぞれ4〜5種のテストプロファイルを含む4つのエンジンプラットフォームから収集されたデータセット
- 故障予測に関して 80% 以上の精度水準が必要
- 新たなデータへの対応を含む、リアルタイムな分析をサポートしたダッシュボードインターフェイス
成果
93%
故障予測の精度
100%
エンジンテストの信号データから疑わしい信号を特定
背景
日本に拠点を置く大手 Tier-1 エンジンサプライヤーは、故障率を減らし、メンテナンスと修理を加速するために、車両のサービスと診断のプロセスを改善する必要がありました。 同社は、OBD2 ポートを介して収集された車載診断装置(DTC)のコードに基づいて車両の修理が必要な時期を推定していましたが、既存の診断ツールでは4つの異なるエンジン故障モードを特定できませんでした。 さらに、これらの障害の原因を調査することは困難で時間がかかっていました。
課題
クライアントからは、4つの異なるエンジンプラットフォームの障害を予測できるソリューションが求められました。 各エンジンからの信号データは、4〜5の異なるテストプロファイルを通じて生成されました。クライアントでは、少なくとも80%の精度でエンジンの故障を予測するために、Acerta のモデルを必要としていました。 さらに、クライアントの目標は診断ツールの改善であったため、Acerta のエンジニアは、クライアントがデータをアップロードして結果を検証するためのWebベースのダッシュボードを構築する必要があり、新規データ取得後、分析結果を数分で配信する必要がありました。
Acerta ソリューション
Acertaのチームは、クライアントのサンプルデータを調査することから開始しました。各種の信号を分析し、このアプリケーションに適切なさまざまな機械学習モデルの実行可能性を評価しました。 当社のデータサイエンティストたちが直面した基本的な課題は、4つのエンジンプラットフォームすべてに1つのモデルを使用するか、プラットフォームごとに1つのモデルを使用するかということでした。 最終的に、テストのさまざまな段階だけでなく、複数プラットフォームに複数モデルを使用することを選択しました。 なお、クライアントの2つの目標としては、2つの異なるアプローチ(分類と異常検出)も必要でした。
これらの条件設定の元、Acerta のデータエンジニアは、分類と異常領域特定のためにネストされたデータパイプラインを構築しました。 また、クライアントにはダッシュボード環境が必要であり、計測データのストレージから構成手順までもWeb環境上で考慮できる必要がありました。 最終的に、ダッシュボードには、エンジンID、データトレースの名前、ユニットが合格か不合格か、異常スコア、および信号データ内の異常領域のハイライトを表示する、等の機能が用意されました。
成果
Acerta は、エンドツーエンドのソリューションを作成して展開し、それをクライアントの診断環境に統合しました。 当社のモデルは、93.3%の精度でエンジンの故障を正確に予測するというクライアントの要件を上回ることを実現しました。 さらに、Acerta のデータサイエンティストは、エンジンテスト信号データ内の疑わしい信号と異常な領域を特定することにも成功しました。これらにより、クライアントのエンジニアはより多くの障害を検出し、その調査にかかる時間を短縮できるようになりました。
この事例は、データサイエンティストがフィーチャーエンジニアリングを使用して、ドメイン知識に基づいて誤っていることがあらかじめわかっているような特定の結果や傾向を除外することができたためであり、Acerta が自動車データに習熟していることを示しています。