Last updated on 6月 15th, 2023

ケーススタディ

自動化された車両部品選択

目的

  • 車軸アセンブリ工程での故障要因を特定したい
  • 製造工程データを活用し不良品率や再加工率を削減したい

チャレンジ

  • 組立工程では1ユニットの製造で20種類の異なるワーク上で200箇所以上のデータ測定が必要
  • ワーク上の複数箇所でのデータが部品選択の差異に影響あり

成果

<1

学習モデルが路面変化の検知に要した平均秒数

<3MB

機械学習モデルとライブラリの最終圧縮サイズを100MBから削減

背景

大手 Tier 1 サプライヤーでは、生産工程での組立データを用いて機械学習技術により製造部品に対する不良品率や手直し(再加工)率の削減を検討していました。同社においては製造プロセスにおける高度かつ全社的なイニシアチブの元、機械学習技術の自動車製造プロセスに対する豊富なユースケースを擁する Acerta Analytics 社との契約へと繋がりました。Acerta の LinePulse モジュール群はクライアントのサプライチェーン全体に渡る洞察を提供するためにも世界中の製造施設における複数生産ラインで導入されることも見据えつつ、主要拠点での導入・本番運用へと発展しています。

課題

お客様の生産ラインの1箇所だけでも、20以上の異なるオペレーションで構成されており、これらのオペレーションでは、組み立てられたユニットごとに200以上の測定値が生成されます。各ユニットに影響を与える可能性のある測定値の数を考えると、故障の発生源を絞り込むことは極めて重要でした。この課題は、生産ラインにおいて複数の故障モードが存在し、それぞれの故障モードには異なる根本的な要因が存在している可能性があるため、課題をさらに複雑させるものとなっていました。

Acerta ソリューション

Acerta では、バックラッシュ不良の原因となる組立工程上の問題要因を特定するために、LinePulse の Discover モジュールの導入をクライアントのライン上で実施。LinePulse Discover モジュールにより、バックラッシュ不良をもっとも確実に予測することができる製造工程の、主要な測定値の絞り込みに成功します。これにより、クライントでは大量の生産データを吟味するという通常の手作業プロセスを行うのではなく、これまでは考慮されていなかった工程間の測定データによる関連性など、故障の原因となるワーク(工程)なリストを絞り込むことが可能となりました。

続いて、これら初期の検討結果から、計測した信号間の複雑な相互作用を分析し、サブアセンブリ部品の選択時に自動化された推奨事項を提供するために、Acerta の LinePulse Prescribe モジュールの導入へと繋がりました。クライアントではこれまで、既存の部品選択プロセスでは故障率がある一定の閾値(しきい値)を超えると、エンジニアは手動で部品選択を調整する計算式に基づいて作業を行っていたのです。LinePulse Prescribe モジュールの運用展開においては、手作業で行っていたアプローチを LinePulse プラットフォームを通じて動的に再学習可能な機械学習モデルに置き換え、常に最適なパフォーマンスを維持するよう調整されています。

このアプローチは当初、不良部品に対する再加工プロセスを最適化する目的で利用されていました。しかし、この初期運用展開が順調に稼働したため、このお客様では LinePulse を用いた部品選択プロセスを全体のアセンブリ(組立)工程の一部として導入し、組立プロセスにおける不良率削減へと繋げようとしています。

成果

Acerta の LinePulse Discover モジュール及び Prescribe モジュールの初期導入により実現されたコスト最適化と初回出荷率の改善の影響を受けて、このお客様では世界中の施設での LinePulse 活用へと発展し、同社製造ラインにおける Industry 4.0 と製造ラインにおける AI イニシアチブに関連する優先的な投資に繋がっています。今回導入されたシステムでは、不良品率と再加工率を 65% も削減し、初回歩留まり率を大幅に改善、お客様の製造プロセスにおけるコスト削減に大きく寄与できています。

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